初心者への株講座・雑記

初心者への株講座③ 3つの指標(PER、PBR、配当利回り)を知ろう!~PBR編~

 初心者の方が、まずどの株を買おうか考えるときに参考にしてほしい指標が、

 PER・PBR・配当利回り

 の3指標となります。

 個人的には相当株を突き詰めていく上級者になるまでは、指標はこの3指標を参考にして売買していけば十分だと思っています。

 前回のPER編に引き続き、今回はPBRについて解説していきます。

PBR(Price Book-value Ratio)とは

 それでは、負け組投資株式会社を例として説明していきたいと思います。

負け組投資(株) 現在株価 1,000円

②PBR(Price Book-value Ratio)ピービーアール

 株価純資産倍率のことです。

 PBR=株価/1株当たり純資産(BPS)

 まずは、BPSの説明をします。

 1株当たりの純資産(BPS)とは、簡単に言うと

 会社の資産を全て現金にして、会社の負債を全て返済したとき、手元に残るお金のことです。

 負け組投資(株)では、BPSが500円なので会社を清算すると1株当たりに500円が残るということですね。

 そこで、今1株当たり時価で1,000円の株価なので、

 PBR=1,000円/500円=2倍

 となります。

 つまり、PBRとは、会社が清算されて手元に残るお金に対して、何倍の株価になっているかを示しています。

 さて、前回説明したPERについては、他の会社のPER等と比較しないと割安か割高が判断できないと言いましたが、PBRについてはある程度単体で判断することができます。

 明日、負け組投資(株)(BPS 500円)が解散するとしまして、そのときの株価が、

 ① 1,000円 PBR=1,000円/500円=2.0倍

② 500円 PBR= 500円/500円=1.0倍

③ 250円 PBR= 250円/500円=0.5倍

 の3通りのパターンを考えてみましょう。

 ①の場合、1,000円で株を買うと、明日には半分の500円になって戻ってくるということです。絶対に買いませんね。

 ②の場合、500円で株を買うと、明日には買ったときと同じ500円が戻ってくることになります。買っても買わなくとも同じですね。

 ③の場合、250円で株を買うと、明日には買ったときの倍の500円が戻ってくることになります。全力で買い占めますね。

 例で挙げたように、PBR=1倍が割安と割高の判断の基準となります。

 PBR>1であれば、割高 PBR<1であれば割安

 と大雑把に言えます。

PBRは、変動する

 それでは、PBR<1の株を探して買えば儲かるのか?

 答えは、NOです。

 株価が常に一定としても、PBRの算出となるBPSは、会社が活動していくことで変動していくからです。

 今、負け組投資(株)の株価が1,000円であり、BPSが500であったとします。

 PBRは、2倍ですね。株価は1,000円で一定だとして考えてください。

 今期、負け組投資(株)は、負け組なのに業績は絶好調で1株あたり純利益を300円出し、全て会社に蓄えました。

 来期、負け組投資(株)も業績が絶好調で1株当たり純利益を300円出し、全て会社に蓄えました。

 結果、2期経った後の負け組投資(株)のBPSは、

 500円+300円+300円=1,100円

となっており、

 PBR=1,000円(株価)/1,100円(BPS)=0.9倍

 となります。

あれ、PBR<1になっていますね。

逆に今、負け組投資(株)の株価が1,000円、BPSが1,250円のPBRが0.8倍だとしても、

 来期 1株当たり300円の損失 次期 1株当たり300円の損失

 となると、2期後には

 PBR=1,000円(株価)/650円(BPS)=1.53倍

 となり、PBR>1となってしまいます。

 つまりは、PBRが1を超えているのは、株価に将来の成長分が反映されている成長株なのかもしれません。

 逆に、PBRを1を下回っているのは、将来性がない株として見られている低成長株の可能性があります。 

PBRには、ブランドという資産は反映されていない

 PBRは、単純に価格がつく資産・負債について算定されているのに過ぎません。

 要は、貸借対照表上に積みあがっている資産・負債の差額になります。

 ブランドという資産は、加味されていないということです。

 仮にシャネルの会社の純資産が500億円と評価されていても、500億円でシャネルの会社は買えないでしょう。

 実際に買うとなると何倍もの金額が必要となります。

 それはなぜなのかというと、シャネルにはシャネルというブランド力という資産があるからなのです。

 シャネルのバッグだから買いたい、シャネルの香水だから買うという人が数多いるからです。

 このブランド力という資産こそが、シャネルの一番の資産です。

 ですが、このブランドという資産は金額として正確に価値化できるものではありませんので、一般的に会社の資産上の項目に入ることはないのです。

 つまり、会社の価値を判断するには、ブランド力という価値化できない資産も考慮する必要があるということになります。

 PBRやBPSといった価値化できるものの資産だけでの評価基準では、会社の価値は分らないということです。

 ちなみに、ブランド力は物以外にも様々なものがあります。

 例えば、孫正義がいるソフトバンクといないソフトバンクでは価値が違うでしょう。

 目に見える物、価値化できるものだけが、資産ではないことを覚えておきましょう。

まとめ

 PBR(ピービーアール)とは、株価純資産倍率のことです。

 今すぐ会社を清算した場合、1株当たりいくらの金額を得ることができるかを示しています。

 ①PBR>1であれば割高、PBR<1であれば割安と言えます。

 ②PBRは、将来の会社の業績によって変動します。

 ③PBRには、会社のブランド力は反映されていません。

 会社の価値を判断する上で、あくまで一つの指標であることを踏まえて、PBRを有効に活用しましょう。